構造的デフレ 2009 10 4
残念ながら、「日本には、構造的なデフレ要因がある」と書いてから、
9か月近く経過してしまいました。
「庶民の生活は苦しいまま、時間だけ過ぎていく」と有権者は思っているでしょう。
構造的デフレ 2009 1 10
今朝の新聞に入ってきたチラシを見ると、
デジタル家電が、「こんなに安くていいのか」と驚くほど、
値引き合戦となっています。
この価格では、家電メーカーは利益が出ないでしょう。
日本には、構造的なデフレ要因が、二つあります。
まず、第一は、子育て費用増大によるデフレでしょう。
時々、聞かれることは、こういうことです。
「なぜ、児童手当は、小学校までなのか」
子供が大きくなればなるほど、子育て費用が増えるのに、
「なぜ児童手当は、小学校までなのか」という疑問は、当然でしょう。
今から10年ぐらい前は、児童手当は、幼稚園までだったと思います。
実は、それでも問題がなかったのです。
昔の日本は、賃金体系が年功序列型となっていましたので、
子供が大きくなって、お金がかかるようになっても、
年功序列型で給料が増えていましたので、問題は発生しなかったのです。
ところが、今の日本では、年功序列型の賃金は消滅してしまったかもしれません。
しかし、子育て費用は、子供が大きくなればなるほど、増えていきます。
そうなると、どうなるか。
不要不急の商品に、強烈なデフレ圧力がかかります。
たとえば、消費者は、デジタル家電に「強烈な値引き」を求めることになります。
そういうわけで、家電メーカーは、いくら売っても儲からないという構造になります。
私は、過去にも書きましたが、
年功序列型の賃金体系の復活が難しいならば、
せめて、賃金体系の中に、育児に関する手当を作って、それを年功序列型とすべきでしょう。
たとえば、育児手当は、最初は少なくても仕方ないでしょうが、
子供が小学校高学年になったら、
育児手当が、毎年、1万円ずつ増えていくという方式です(18歳まで)。
(小学校高学年ぐらいから、子育て費用は、加速度的に増えていくでしょう)
第二に、これは、多くの方が、ご存知でしょうが、
少子高齢化が、デフレ圧力となります。
現在のところ、日本は、目立って人口が減少していませんが、
人口構成が変わってきています。
高齢者が増えて、子供が減ってきています。
これは、消費低迷を意味します。
高齢者は、消費活動性が低いでしょう。
人口は変わらないけれど、需要は減っていくというパターンです。
需要が減れば、当然、価格は下がります。
これは、長期にわたるデフレ圧力となるでしょう。
少子化対策は、国策とすべきで、
あらゆる政策の中で、最優先事項とすべきでしょう。